成人の吃音について
成人の吃音
成人の吃音の特徴は、話すことへの恐怖や緊張、それに伴う逃避行動、回避行動が二次的行動として現れる。
これらは強固に学習されているため、新たな流暢性と対処法をもって反応する必要がある。
カウンセリング
恐怖や緊張を軽減する動機づけを高める必要がある。
そしてコントロールされた流暢性と新たなスキルを訓練し、それを日常生活に落とし込んでいく。
このスキルは、緊張を感じない場面や単語で練習し、徐々に緊張しやすい条件下へと移行していく。
回避行動
自分の能力に見合わない、職業を選んでしまう。
(教師として働く資質があるのに、工場で働くなど)
今の職場に満足している場合、環境の変化に敏感になる。
例えば、「昇進は人前で話すことが多くなるのので躊躇する」「配置転換」「業務内容の変更」「新たなルール(電話番について)」など。
吃音治療の目標
多くの吃音者にとって「吃音を完全に無くす」ことが目標になっている。
しかし、吃音を完全に無くした成人の吃音者は皆無に等しい。
幼児期に完治することはあるが、成人になってから完治することは無いと考えたほうがいい。
ただ、吃音は残るながらも、ほどんど気にならないレベルにまでは改善することができる。
(稀にどもったり、特定の場面でのみ吃るレベル)
現実的な目標
吃音治療の現実的な目標は、以下の3つが挙げられる。
1.完治 自然に話せるようにする。 流暢に話すことが重要、コントロールされた流暢性を達成できるように流暢性スキルを獲得する。
2.改善 吃音が目立たないようにする。流暢に話すことが重要だが流暢スキルを獲得できない、吃音に慣れ親しみ、楽に軽く吃れるようにする。
3.克服 吃音を受入れる。 流暢に話すことが重要ではない場合、どもったときも自然体で居られるように吃音に慣れ親しむ。